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アレティエ小説です。
こんなんはティエリアじゃねーYO
恥ずかしい感じになっています。(私が
それは他人から見ればほんのささやかな時間だけど。
今日は珍しくガンダムマイスターに一日中自由な時間が与えられた。
しかしアレルヤはこれといってすることもなく、かといって自室に引きこもるのも勿体ない気がしたので、なんとなくティエリアの部屋に行こうと思った。
ロックオンは暇を出されたのをいいことに直ぐさま刹那の部屋へと向かって行った。
全く分かりやすい人だと思う。
もう何回も読み返した本を片手にティエリアの部屋のドアを叩く。
するといかにも不機嫌そうな顔をした少年が何か用、と言いながらドアを開けた。
「いや暇だからちょっと来てみたんだ」
そう言うと仏頂面の少年は少し驚いた表情を見せてどうぞ、と部屋に迎え入れてくれた。
部屋に来たからといって何を話すでもなく二人は並んでベットに座った。
「アレルヤ」
先に口を開いたのはティエリアだった。
「何、ティエリア」
「俺は自分が決して弱くは無いとは思ってる。」
うん、と相づちを打ちながら横目でティエリアを見る。
真っ直ぐ前を見て難しい顔をしているが少し幼さが垣間見える。
「ティエリア、君は強いよ。僕なんかよりずっと」
事実アレルヤはそう思っている。戦闘中のティエリアは、何も恐れていないような様子である。
アレルヤは反対だった。戦闘中は常に恐怖が付きまとい、それでもやらなければいけないと自分に言い聞かせながら戦闘するのだ。
「でもたまに少し怖いんだ」
伏し目がちに彼はそう言った。
アレルヤは普段の彼からは全く感じられない言葉に少し驚いた。
どうして良いか分からず少し間を置いて彼の手の上に自分の手のひらを乗せた。
少し冷たい。
「何が怖いの」
「分からない、分からないのが怖い」
うん、という気の利かない返事しか出来ない。
今までに彼がこんな風に弱々しくなったことはない。
「大丈夫だよ、ティエリア」
一体何が大丈夫なのか分からないがとりあえず場を繕うためにそう言った。
その後彼は黙り込んでしまった。
アレルヤはどうすることも出来なくなんとなく彼の体を引き寄せた。
少し経ってから彼は胸の上で小さくアレルヤ、と呟いた。
「うん」
「もう平気、だ」
そう、と言って体を離す。
「さっき言ったことは忘れてくれ」
そう言う彼の頬は少しだけ赤い。
「忘れないよ」
「いや、忘れてくれ、俺は何も怖くないし弱くもない」
それは嘘だと思った。彼の顔は不安に包まれている。
彼は多分何かに対して怯えているのだ。
「わかった、忘れるよ。君は強い」
そう言うと彼は少し微笑んで有り難う、と言った。